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12月22日東京にて、当科 高槻教授が”HIV/HCV重複感染患者に対する肝移植の進歩” 公開シンポジウムに、シンポジストとして出席されました。

教授より報告を頂きました。

公開シンポジウム『HIV/HCV重複感染患者に対する肝移植の進歩』に出席してきました

(教授:高槻光寿)

東京で12月22日(日)に開催された公開シンポジウム『HIV/HCV重複感染患者に対する肝移植の進歩』にシンポジストとして出席してきました。1980年代に発生した、血友病に対する非加熱血液製剤(凝固因子)によるいわゆる「薬害エイズ」の被害者の方々は、実は90%以上がC型肝炎ウイルス(HCV)にも同時に感染しており、HIVに対する治療が進歩してエイズで亡くなることが激減したあとにHCVによる肝硬変や肝癌による死亡が浮き彫りになった状況がありました。そのような方々を肝移植で救命するべく、2009年より長崎大学移植・消化器外科の兼松隆之名誉教授を代表として厚労科研の研究班『兼松班』により研究が開始され、現在までに5名の方々を脳死肝移植で救命できています。兼松先生が退任されたあと現在の江口教授に引き継がれ、今回、一般の方々にもこの問題の現状と研究班の成果を知っていただくために公開シンポジウムを開催致しました。私は現在も分担研究者として関わっており、肝臓外科医としての立場からシンポジストとして発言させていただきました。シンポジウムには、本事業の立ち上げに尽力された参議院議員の秋野公造先生、そして厚労省の加藤拓馬先生や各領域のリーダーの先生方が出席され、充実した議論が展開されました。10年前に研究を開始した当初に挙げられた様々な問題は少しずつ解決され、HCVも内服治療で完治できる時代になりましたが、全ての問題が解決されたわけではなく、私も引き続き沖縄で血液内科・感染症内科・肝臓内科の先生方と研究を継続してまいります。肝移植につきましても、来年早々から沖縄でできるようにするべく、関係の方々と準備を進めているところです。

薬害エイズ事件、今の学生さんは知らないでしょうか(私も子供でしたが)。医師、政治家と製薬会社の関係も問題視されました。医学生の方は一度調べてみてください。現在も存在する製薬会社も関与しています。

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