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 先日、沖縄県の病院で脳死ドナーが発生し、肝臓の摘出を支援致しました。肝移植が必要な患者さん(レシピエント)は名古屋大学におられました。現行の本邦のシステムでは移植手術を担当する名古屋大学から摘出チームを派遣することになるのですが、諸事情で誰も派遣できない、ということで支援の要請がありました。琉球大学病院はまだ脳死肝移植施設の認定を受けておりませんが、生体肝移植10例の実績と、私(高槻)とともに肝摘出の経験が豊富な大野慎一郎助教がおりましたので、道具がちゃんと準備できることを確認して支援要請を受けることと致しました。幸運なことに同じドナーの方から腎移植を受ける患者さんが琉大病院におられましたので、泌尿器科の先生方のご協力もいただき、摘出手術は問題なく行えました。沖縄から名古屋への臓器の搬送は臓器移植ネットワークにしていただき、名古屋大学での手術も無事に終わった、との連絡をいただきホッと致しました。

 今回、当科のスタッフだけで手術を行いましたが、生体肝移植の経験から臓器灌流・保存もスムーズで、全く問題ありませんでした。現在、琉球大学病院も脳死肝移植施設認定を目指して準備中で、近い将来可能となる見込みです。まだまだ日本では生体移植が主流ですが、特に生体ドナーがおられない患者さんを救うために脳死移植は必須ですので、沖縄でもさらに多くの患者さんが救えるように尽力してまいります。

引き続きご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。      高槻 光寿

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