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9月25日(日)午後、臓器移植法施行25周年記念事業として『ハイサイ臓器移植:臓器移植ってなあに?』が沖縄県立図書館で行われました。この公開講座は日本移植学会の事業として、一般市民の方々に臓器移植医療の素晴らしさを知っていただくためのもので、長崎大学移植・消化器外科、長崎県健康事業団と琉球大学消化器・腫瘍外科、沖縄県保健医療福祉事業団との合同開催として沖縄で行われました。コロナ禍でありましたが、感染対策に十分配慮した上で現地開催、さらにYouTubeによる同時配信もされました。肝移植について琉球大学消化器内科の前城先生、腎移植について友愛医療センターの大田先生、膵移植について当科の大野先生にお話しいただき、沖縄県の臓器提供の状況を沖縄県臓器移植コーディネーターの仲間様にご報告いただきました。続いて、移植手術を経験された4名の方々にご登壇いただき、琉球大学医学部生2名より体験談を伺いました。みなさん大変お元気にされており、手術後にお子様を授かったこと、スポーツを楽しめるようになったことなどで移植医療の効果を実感されておられました。さらに順天堂大学の内田浩一郎先生より、最新の話題である肝移植における免疫寛容誘導のご講演をいただきました。すでに実際の臨床で治験が行われており、ドナー特異的な制御性T細胞を輸注することで肝臓を生着させる試みで、高い成功率で免疫抑制剤を使用せずに肝臓が生着するデータを示されました。3年後を目途に一般化をめざしている、とのことで大変期待されるお話でした。最後に長崎大学の江口教授に閉会のご挨拶をいただき、会を終了しました。現地参加約80名、YouTube視聴約40名と100名を超えるみなさまにご参加いただき、大変充実した講座でありました。今後も沖縄の臓器移植医療の発展のため、みなさまとともに尽力してまいります。

琉球大学消化器・腫瘍外科

高槻 光寿

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