抄読会を行いました。

2023年2月8日 抄読会   発表者:森岡 弘光

論文名:

  • The first management using intubation of a nasogastric tube with Gastrografin enterography or long tube for non-strangulated acute small bowel obstruction: a multicenter, randomized controlled trial
  • Long-term outcomes of nasogastric tube with Gastrografin for adheasive small bowel obstruction

雑誌:

  • The Japanese Society of Gastroenterology 2020 55:858-867
  • Journal of Gastroenterology and Hepatology 2022 37:111-116

PMID:①:32671536  ②34478173

論文要旨

非狭窄性急性小腸閉塞に対するガストログラフィン腸管またはロングチューブを用いた経鼻胃管挿管による初回管理についての多施設共同無作為化比較試験。NGT-G群: NGチューブ留置時にガストログラフィンを90cc注入、LT群:16 or 18 Fr ロングチューブ、空腸まで留置。上記2群に分けて比較検討した。主要評価項目である非手術率(治療成功率)については、LT群87.4%、NGT-G群91.1%であった。NGT-Gのほうが手技時間は短く、合併症の頻度が少なかった。ただしNGT-G単独群とLT群を比較すると、LT群のほうが非手術率は高く、適切にNGT-GからLTへ移行することが必要であると考えられた。

後に発表された長期成績では、観察期間中央値550日で、1年の累積手術率や再発率・生存率は同程度であった。大腸造影が陰性であった群、およびNGT-Gの後にLTへ移行した症例は再発率が高い傾向にあったため、このような症例では慎重な経過フォローが必要である。