肝胆膵グループ

肝胆膵グループ

肝胆膵グループは2019年7月1日より着任された高槻教授を中心に、手術・研究に力をいれています。肝胆膵領域の癌は手術が高難度であり、予後も悪いものが多いです。我々は沖縄県の肝胆膵領域疾患の予後向上を目指しています。また現在沖縄県では肝移植の普及が遅れており、行うためには他県に行かなければならない状況です。しかし今後は当院で肝移植を行い、すべてが県内で完結できる治療を可能とするべく、努力してまいります。よろしくお願い致します。

1.不可逆性肝疾患に対する肝移植の成績改善のための研究

非代償性肝硬変や劇症肝不全などの不可逆性肝疾患に対し、肝移植は有効な治療であるが、1年生存率は85%程度であり、改善の余地がある。また、長期経過症例における免疫抑制療法についても確立されたものはなく、腎機能障害や発癌などが問題となっている。沖縄においても相当数の肝移植適応患者がいるが、現在まで他県に手術を依頼する状況が続いている。「沖縄で完結」を目標に琉球大学でも生体肝移植を導入するとともに、短期および長期成績改善のため、拒絶反応の制御・感染症予防・免疫寛容の導入などについての研究を進めていく。

2.膵癌の治療成績向上のための研究

癌に対する治療成績が全体的に向上している現代においても、膵癌は根治切除後の5年生存率20%程度と極めて予後不良な疾患である。成績改善のためには、早期発見と化学放射線療法を組み合わせた集学的治療が必要であるが、手術適応についても再考すべきであろう。膵癌の予後規定因子を過去の画像診断や切除症例の病理所見から解析し、最善の治療法と手術適応を明らかにする。

3.大腸癌肝転移に対する治療法についての研究

大腸癌は肺癌とともに近年増加傾向にあり、それに伴って転移性肝癌症例も増えている。「大腸癌治療ガイドライン2019年度版」において、大腸癌肝転移の治療の第一選択は肝切除とされているが、転移巣の数や大きさにより化学療法の併用が必要な症例も多い。しかしその適応と具体的な併用法についてのエビデンスはないため、最善の治療法についてのプロトコールを確立する。

4.肝胆膵領域の癌に対する低侵襲手術についての研究

消化器外科領域において腹腔鏡やロボットを用いた低侵襲手術の発展はめざましいが、肝胆膵領域では消化管領域ほど確立されていないのが現状である。右葉切除や左葉切除などのいわゆる大肝切除も保険収載されたが、その効果や有用性についてはまだ明らかでない。進行癌に対する低侵襲手術はその後の補助療法導入のためにも有用である可能性があるがこれも十分なエビデンスがなく、肝胆膵領域癌の進行度に応じた低侵襲手術の適応を明らかにする。

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