第42回日本肝移植学会学術集会へ参加しました
6月7-8日に東京で開催された第42回日本肝移植学会学術集会へ参加しました。今回は、国立成育医療研究センター病院長の笠原群生先生が会長を務められ、盛会でした。
高槻教授が琉球大学における生体肝移植ドナー手術の手技をビデオシンポジウムで、大野慎一郎先生が琉球大学における生体肝移植の成績を、沖縄県全体の肝疾患分布から考察し発表されました。アルコール性肝硬変は全国と同等の施行率ですが、同じく生活習慣に伴うMASH(旧NASH)による肝硬変に対する移植が行われておらず、潜在的に移植対象となる症例が多数いるものと推察されます。移植医療が保険診療であることもまだ十分には知られておらず、引き続き啓蒙が必要と思われます。4月から着任されている嶋田先生も、前任地の熊本大学での肝移植レシピエント手術手技をビデオシンポジウムで発表されました。
また、今回は看護部の伊禮さんが小児急性肝不全に対する緊急生体肝移植の看護経験を発表しました。患児やご家族からいかにして信頼を得るか、フォローアップのポイントや問題点などを報告しました。
以下は、伊禮さんからの感想です。
「6月に東京で開催された第42回日本肝移植学会にて発表させて頂きました消化器外科病棟看護師の伊禮と申します。今回は、生体肝移植術を受けた児のセルフケア獲得や回復期支援に焦点を当てた看護の実際について発表させていただきました。島嶼医療に携わる当院の移植看護について県外へ発表する大変貴重な機会となりました。また、他施設の発表を聞くことで知見を広げることができ、大変勉強になりました。移植医療では生涯にわたる切れ目のないサポートを家族も含め、多職種で継続的に行っていく重要性を再認識できました。現在当院では移植コーディネーターを育成中ですが、今後はコーディネーターと協力しながら、チームで移植看護に励んでいきたいと思います。今回の発表にあたりご教授頂いた高槻教授、並びに第一外科の先生方へも感謝申し上げます。」
肝移植は、病院全体での協力が最も要求される医療のひとつです。これからも琉大チームとして、どんどん情報発信していきましょう!