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 今年4月より大学院に入学した宮城です。今回、私自身の大学院での研究テーマと関りの深い、長崎大学移植・消化器外科、久留米大学外科への見学の機会を頂いたので報告します。
 大学院では、「多層化脂肪幹細胞シートを用いた肛門括約筋再生に関する研究」をテーマとする予定です。直腸癌手術では、癌根治のため括約筋を一部切除することがありますが、そのために術後排便機能障害が生じる方がいます。この排便機能障害への対策の一つとして、脂肪幹細胞を用いた再生医療が試みられています。今回、当院形成外科清水教授の協力も頂き、当院で作成したヒト由来多層化脂肪幹細胞シートを、あらかじめ作成した排便機能障害ラットモデルに移植し、排便機能障害の改善がみられるかを検討する予定です。
 今回の見学では、1日目に長崎大学移植・消化器外科 井上悠介先生にお会いして、排便機能障害ラットモデルの作製について、実際にラットを用いて教えていただきました。これまで私自身、動物実験の経験は全くありませんでしたので、同教室の宮本先生にもご指導いただきながらラットを触って、処置を行うことで、これまで曖昧だった点もイメージがつかめ、勉強になりました。2日目は久留米大学外科 藤田文彦先生にお会いして、これまでの排便機能障害に対する研究についてご紹介いただき、これからの実験デザインについてご助言を頂きました。藤田先生は長年にわたり排便機能障害の研究にたずさわっており、大変造詣が深く、今後の研究計画について非常に参考になりました。
 お忙しい中、お時間を頂いた藤田先生、井上先生、誠にありがとうございました。今回の学びをこれからの研究にしっかり生かしていけるよう頑張りたいと思います。

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