食道癌切除リンパ節における微小転移巣の臨床的意義

食道癌切除リンパ節における微小転移巣の臨床的意義

研究課題名

食道癌切除リンパ節における微小転移巣の臨床的意義

実施責任者

琉球大学第一外科 助教 長濱正吉
実施分担者
琉球大学第一外科 教授 西巻正
同 助教 下地英明,狩俣弘幸
同 医員 金城達也

臨床研究の概要

〈研究の背景と目的〉

食道癌は消化器癌のうちでも悪性度が高く、侵襲が高い手術にも関わらず、未だ治療困難であり、手術を受けても不幸にして再発することがあります。術前化学療法により生存率は改善していますが、化学療法がよく効いた場合でも癌のコントロールは十分であるといえず、再発や予後に影響をあたえる要因の究明が必要とされています。切除後の病理組織検査でリンパ節転移が見つかった場合は再発の危険性が高くなることが知られていますが、通常の組織学的検査でリンパ節転移のない患者様においても30~45%に再発がみられます。したがって通常の検索手法による再発予測は不十分であり、さらなる再発予測因子の探索が不可欠であると考えられます。近年、通常の組織学的検索では同定できない微小癌転移巣を免疫組織学的手法や分子生物学的手法をもちいることで検出することが可能となってきています。これらの方法により検出される微小転移病巣と再発や予後との相関が報告されるようになり、予後予測因子として期待されています。
この研究の目的は食道癌手術後に癌が再発するかどうか、微小転移巣を評価することで予測可能かどうかを検討します。

〈臨床研究の対象および実施場所〉

対象:2002年4月から2010年12月までに根治切除が施行された食道癌を手術した患者様の切除標本を対象としています。
実施場所:琉球大学医学部第一外科

〈研究内容〉

当科で食道癌の手術を受けた患者様の切除標本をもちいて、免疫組織学的染色をおこない、微小転移病変を評価し、再発した方と、再発しない方の間で比較を行い、再発予測の方法を確立します。

〈患者様の人権擁護〉

当科でデータベースを作成する際に、個人が特定できないように匿名化し、データベースに登録しています。さらにその際には直接患者様を識別できる情報が登録されないようにしています。これらの結果で診療上の不利益をうけることはありません。患者様の個人情報については 、標本に番号をつけて匿名化し、連結可能匿名化の上で取り扱いを行います。患者様ご自身の診療後保管試料および診療情報の研究利用に関する疑問点および利用拒否などの際には下記へお問い合わせください。

〈医学上の貢献〉

この研究を進めることで食道癌の術後患者様に対して、再発のリスクが高い方に対する適切な治療法が選択できるようになり、今後の食道癌治療に方針の決定に際し、大きく寄与することが期待されます。

〈研究期間〉

平成23年度(承認日)から平成24年3月31日です。ただし 、しかるべき手続きを経て変更することがあります。

お問い合わせ先

琉球大学医学部附属病院 第一外科 医局長
〒903-0215 沖縄県中頭郡西原町字上原207
TEL:098-895-1163 (医局直通)  FAX:098-895-1421
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